以前作成した一軒家ですが、かねてより考えていたディテールアップとして、いわいる「雨樋」を追加しました。
建物にとって排水は重要な問題ですが、とりわけ人が住む住居に関しては、これをないがしろにすると生活に重大な影響が及ぶものです。配管の詰まりから水が建屋に侵入して材を腐食させるなど・・考えたくもないですよね(笑)
また、建物に現実的な説得力が増すという意味でも魅力的です。鉄道車両の改造でも「パイピング」はひとつの芸術として?確立している感があります。
建物の場合、車両のパイピングほど大層な工作スキルは必要ないものにせよ、慣れない作業は色々と試行錯誤でした。
用意したのはプラ角棒と真鍮線ですが、プラ棒は安定のタミヤ1mmとともに、エバーグリーンの0.75mmも用意しました。
入手安定性やコスパを考えるとプラ棒は1mmを中心に使いたいなのですが、実際の雨樋(軒樋)のサイズを調べると、どうも75mm-120mmのようなんですよね。仮に標準的な100mmをスケールダウンすると0.67mmですし、少し拘って0.75mmにしたほうがよいのではないかと。
一方、建物の縦方向に付ける縦樋は基本的には丸型のパイプですので、ここは真鍮線の出番になります。ここではウェーブの0.5mmを使いました。真鍮線は艦船模型なども含めてかなり細密な表現をすることもあり、1mm以下の口径も比較的入手しやすいですね。
そして、縦樋と軒樋をつなげる「集水機」の部分に、タミヤの1mmプラ棒を使うことにしました。こうすると樋部分との段差も作れてむしろ良いかなと。

まずは真鍮線の加工からです。短く切った1mmプラ棒にピンバイスで穴を開け、真鍮線を刺した後に曲げてそれっぽい形を作ります。
真鍮線の加工は初めてだったのですが・・多少難儀したものの一応曲げられました。確かにこういう変形はさせやすいですね。
固定は瞬間接着剤。治具に刺したら、サーフェイサーの後で塗装です。

(ピントが甘いのは撮影技術の拙さです。これに限らずご寛恕ください)
完成したら、あとはそんなに大した加工はないのですが・・0.75mmのプラ棒を先に軒樋として一軒家に取り付け、後から縦樋を追加します。

縦樋は庭側に2箇所、正面玄関側に1箇所の合計一箇所つけました。実際はもう少し多いのだろうか・・・ただ、最初の小手調べとしてはこれくらいで。
一応、いい感じで付いてくれました。室外機の配管と合わせて、少し建物に説得力が増したようにも思います。

ただし・・課題がないわけではありません。やや気になるのは、果たして軒樋が角棒でよかったのか?という問題。
当然、雨水を受けなければならないので、実際は四角ではなくコの字型になっているわけですよ。いわいる「溝型」ということですが・・これがなかなかNゲージサイズとなると難しい。
エバーグリーンの溝型プラ棒について、こちらなどを拝見する限り1.5mmからしかない。というか、プラの1mm以下でそこまでの意匠を求めるのは酷なのかもしれません。金属パーツで車両の改造用に売っている雨樋などでしたらあり得そうですが、なかなか入手困難そうなのと、そもそもそこまで投資するか?というところになってきます。
妥協案ではないですが、今度はハーフラウンド(半円)でやる手はあるかもしれません。ただこれもエバーグリーンだと最小1mmからになりますので、多少のオーバースケールにはなります。半円の場合、取り付けもやや難しそうですね。

ともあれ、まずは雰囲気としては良いのかな、と思うようにしています。
真鍮線の加工は、これに限らず色々なところで考えていきたいところではあります。サフの吹き方のせいか塗料の食いつきが悪かったところもありそうで、この辺は経験ですね。

この家、最近別の課題があり・・・かねてより不安定だった樹木が、いよいよ幹がガタガタになってきました。接着剤がつけづらい素材のため元々苦労してフォリッジなどをつけていたのですが・・何か根本的に工作の仕方を間違えたのかもしれない。
少し動かすたびにどんどん枯れ木になっていく気がしており(笑)、どっかで「抜根」して、植え替えをしてやった方が良いかもしれません。
